IGF-1を増やすと育毛効果がある

豆腐半丁に唐辛子を2gかけて食べると発毛する。ホントかなと思いますが、これはちょっとした刺激がIGF-1を増やし、頭皮でも毛根の知覚神経が刺激されてIGF-1が増え、育毛効果を発揮するという話です。

散髪

薄毛の食卓 5か月で64.5%の人が発毛した食事法を読みました。

すごく乱暴にいうと、豆腐半丁に唐辛子を2gかけて食べると発毛するというのです。発見した岡嶋研二先生は、お医者さんです。

この他にも発毛によい食べ物の組み合わせがありますが、その前にまず、原理を理解しましょう。なぜなら、辛いものはずーっと抜け毛の原因になると思っていたのです。あまりに意外な組み合わせで驚きました。

そして、5か月で64.5%の人が発毛したというのですから、腰をすえてじっくりやりましょう。

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IGF-1を増やせば毛が生える

IGF-1というのは、インスリン様成長因子-1の略です。IGF-1を増やせば毛が生えるというのです。

冒頭に書いた豆腐半丁に唐辛子を2gかけて食べることが、IGF-1を増やすことなのです。何だかさっぱり分かりませんが、大丈夫。ゆっくり読んでください。

血液を固まらせない物質は、血流を増やす働きもする

岡嶋先生は、毛髪について研究していた人ではありません。もともと、血液が体の中で固まらないしくみと、固まるのを防ぐアンチトロンビンという物質の作用について研究をしていました。

アンチトロンビンとは、アンチはアンチ・エイジング(抗加齢)のアンチと同じで、「反対する」「抵抗する」という意味です。トロンビンは、血を固まらせる一群のタンパク質である凝固因子の一つのプロトロンビンが活性化されたものです。つまり、血液を固まらせないものです。

プロトロンビンとトロンビンは高校生物で出て来ました。

アンチトロンビンは、血液を固めない作用の他に、組織の血流を増やす作用があることが分かっていました。血液を固めずに血流を増やすとは、血餅(かさぶた)ができないようにしているのです。

しかし、どのようにして、アンチトロンビンによって血流を増やす作用が発現するのか、そのメカニズムは全く分かっていませんでした。

IGF-1が血流を増やす原因物質だった

そして、長年の研究の結果、アンチトロンビンが、IGF-1という物質を増やすことが分かりました。

つまり、アンチトロンビンは、直接血管に作用しているのではなく、知覚神経を刺激することで、血液の循環を促進していることが分かりました。

知覚神経は、痛みや熱さなどの刺激を脳に伝える末梢神経です。私たちは内臓や血管への刺激はほとんど感じることができないのですが、それらの刺激情報も知覚神経によって感知され、脳に届けられます。

血液中のアンチトロンビンは、血管の周囲の知覚神経に対して刺激を与えていました。アンチトロンビンの刺激を受けた血管周囲の知覚神経は、その刺激に応えてIGF-1(インスリン様成長因子-1)という物質を増やす仕組みを活性化することが分かりました。

「知覚神経を刺激するとIGF-1が増える」ことは岡嶋先生が初めて発見しました。

IGF-1とは

IGF-1は、Insulin-like growth factor-Ⅰ(インスリン様成長因子-1)の略で、体内で働くさまざまな成長因子の一つです。IGF-1は、たんぱく質ほど大きくなく、70のアミノ酸でできているポリペプチドと呼ばれるものです。

「インスリン様」と名前がついているのは、インスリンと化学構造がよく似ているからです。そのため、インスリンと同じように血糖値を下げる働きもあります。

成長因子とは、体の成長や、病気やケガの治癒を促す物質のことで、血流を増加させる働きがあります。

成長について説明しましょう。

思春期になると急に背が伸び、筋肉も大きくなって大人の体に近づいていきます。これは、この時期に、脳下垂体から大量の成長ホルモンが分泌されるからです。

成長ホルモンが分泌されると、さまざまな組織の細胞でIGF-1を作り、それぞれの組織の成長を促進しているのです。細胞の成長には栄養がたくさん含まれた血液がたくさん送られてくる必要があります。その役割をIGF-1がしているのです。

育毛とIGF-1

頭皮の毛根でも同じです。

成長ホルモンが毛根に作用すると、髪の毛のもとになる毛母細胞を養う毛乳頭細胞で、IGF-1がたくさん作られます。一方で、毛母細胞には、IGF-1を受け取るアンテナのような受容体が出来てきます。

たくさん作られたIGF-1がこれらの受容体に受け取られると、ヘアサイクルのうち、成長期が延長され、逆に退行期や休止期が短縮されます。

髪の毛はより長期にわたって成長を続けるようになり、寿命が来たらすぐに抜けて新しい髪に生えかわるようになります。

IGF-1が毛根でたくさんつくられると血流がよくなり、育毛やヘアサイクルの成長期が長くなることが分かります。

成長ホルモン、いわゆるホルモンは信号物質です。それ自体が物質に化学変化を起こさせるものではないです。

アンチトロンビンに話をもどすと、アンチトロンビンは、知覚神経に対して刺激物質として働きます。それは熱さや痛みなどと同じように知覚神経を刺激し、その刺激を受けてIGF-1が増えることが分かりました。

刺激物質とは、唐辛子のようなものです。唐辛子を食べると辛くて熱く感じたり、空腹の時に食べると胃に痛みを感じる時もあります。この刺激はカプサイシンによるものですが、カプサイシンが、知覚神経を刺激して熱さや痛みのように感じさせるのです。

ここでまとめておきます。

知覚神経を刺激すると、IGF-1が増えて血流が増える。

これは体の中の一つの決まりだと思っておきましょう。

IGF-1は刺激物質によって増える

そして、そのカプサイシンの刺激でも、IGF-1が増えることが分かりました。その仕組みは、先生の説明では鍼を打ってもらうのと似ているそうなのです。

カプサイシンによる胃の知覚神経の刺激は、体の熱さや痛みを伝える神経系のネットワークを介して脳に伝達されます。

この刺激は、脳幹に伝えられます。脳幹に伝わると自律神経が活性化します。自律神経は、人が戦闘態勢をとるのに必要な交感神経と、リラックスするのに必要な副交感神経からなりますが、これらの神経の中枢に刺激が伝わります。

その結果、交感神経が刺激されて、副腎髄質から少量のアドレナリンが分泌され、また、副交感神経が刺激されて、末梢組織でアセチルコリンという物質の分泌が高まります。

少量のアドレナリンとアセチルコリンは、毛根などの末梢神経において、知覚神経を刺激してIGF-1を増やします。

鍼灸のようなちょっとした刺激が効果的

鍼を打ってもらうと、痛く感じたりほとんど痛く感じなかったり、体の奥に響くように感じたりしますが、刃物で手を切ってしまったときのように持続的に痛いわけではありません。ずっと痛いと、からだは痛みに耐えるために固くなり、リラックスできません。

鍼を打ってもらうような、ちょっとした痛みの刺激がよいのでしょう。

IGF-1が毛根でやってくれること

IGF-1が毛根でやってくれることは、次の通りです。

  • 毛母細胞に作用し、髪の毛のサイクルのうち、毛根が目を覚まして活発に活動する成長期を延長させる。
  • 毛根が居眠りをしている退行期や休止期を短縮させる。

毛根の活動期間を長くことで、育毛効果を発揮します。さらに髪の毛の質を上げてくれます。

  • 円形脱毛症の原因である毛包の炎症を抑制する。
  • 髪の毛のたんぱく質の量を増やし、毛髪のこしや光沢を増やす。
  • 毛根のメラニン形成細胞を刺激して、メラニン産生を高め、毛髪の色素を増やし、白髪を減らす作用がある。

逆に、成長ホルモンを先天的に作ることができない人や、IGF-1を先天的に作ることができない人は、若い時から髪の毛が細く、折れやすく、また、薄毛になることが知られています。

IGF-1は、休んでいる、また、眠っている毛根に喝を入れ、毛根を目覚めさせ、育毛効果を発揮してくれます。

まとめ

冒頭で、豆腐半丁に唐辛子を2gかけて食べると発毛すると書きました。これはちょっとした刺激がIGF-1を増やすことを象徴する例です。

ちょっとした刺激が知覚神経に伝わり、それが全身のIGF-1を増やしますが、頭皮でも毛根の知覚神経が刺激されてIGF-1が増え、育毛効果を発揮してくれます。

食べ物で刺激を与えて毛根のIGF-1を増やす。

そして、このIGF-1による育毛の原理は、育毛だけではなく健康維持のためにとても役に立つ原理だと思います。

知覚神経を刺激するとIGF-1が増え血流が増える。

私たちの体は、いつも物質を代謝しながら生きているのですが、酸素を運ぶのもエネルギー源となる糖を運ぶのも老廃物や二酸化炭素を運ぶのも、全部血液です。

いつも血流がよくなるように心がけておくと、育毛も健康維持もうまくいくような気がします。知覚神経を刺激すると血流がよくなるのですが、一番大事なのは、血流をよくすることです。

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