円形脱毛症の治療について

円形脱毛症は、単発型ならそのままにしておいても自然に治る場合が多いようですが、多発型のように程度が進んだ場合は治療してもらわなければいけません。

この記事は、円形脱毛症の原因についてとセットになっています。先にそちらを読んでいただいた方がよいと思います。

円形脱毛症の原因について
円形脱毛症とは、ずっとストレスが原因できるものだとばかり思っていました。以前勤めていた会社で、新卒の新入社員がしばらくしたら話に聞くように10円玉大の円形脱毛症になり、学生から社会人になると気苦労が多いのだなと思ったものです。 ...

円形脱毛症の治療はどのように行われるのか調べてみました。

脱毛症

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まず皮膚科に行く

脱毛したのが1ヶ所で範囲も10円玉くらいで小さければ、昔、会社に入って来た新卒の新入社員のように放っておいても自然に治ってしまうかもしれません。

しかし、脱毛した部分がいくつもあったり、また範囲が大きければそのままにはしておけません。

円形脱毛症は自己免疫疾患の一つと考えられているので、何らかの治療を始めた方がよいと思います。もちろん、私がこんなことを書くよりも、実際にそのような状態になった方は強く思われるでしょう。

まず皮膚科に行くのがよいと思います。町の皮膚科もたくさんありますが、不安なときは、なるべく大きな病院で診てもらうと、少し安心できるのではないでしょうか。検査もその日に結果が分かる場合が多いです。

実際の治療について調べてみました。

円形脱毛症の治療

2016年2月に出版されたとてもよい本があります。薄毛の科学 (おもしろサイエンス) です。

この本では、円形脱毛症の治療についてかなり踏み込んで解説されています。いま、円形脱毛症で悩んでいらっしゃる方は、このようなきちんと書かれた本を読んだ方がよいと思います。

この本は大きな書店なら間違いなく置いてあると思います。一度手に取って読むことをおすすめします。

治療の大まかな流れの後、本に書かれていた治療法を軽くご紹介します。

治療の大まかな流れ

日本皮膚科学会の円形脱毛症の治療法はどうしますか?を読むと、治療の大まかな流れを知ることができます。

脱毛症 Q9 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

脱毛が始まったばかりで小範囲しか脱毛していない場合は、ステロイドや塩化カルプロニウムなどの外用療法やグリチルリチン、セファランチンの内服療法で様子をみます。

狭い範囲ですが経過が長引くようなら脱毛部にステロイドを局所注射する治療法や雪状炭酸圧抵療法もあります。

急速に拡大する場合はステロイドを内服すると難治の場合もかなり効くことがありますが、数ヶ月以上も続けると糖尿病などいろいろな副作用が起きますので、2~3ヶ月で内服を中止して、抜けてしまう場合は再び内服することはできません。また子供さんには成長障害を引き起こすことがあるので、使用できません。

広く脱毛して6ヶ月以上も続いている場合は、局所免疫療法が適応となります。

では、次に出て来た療法について簡単にご紹介します。

局所免疫療法

「局所免疫療法」は脱毛した部位に軽い「かぶれ」を起こしながら治していく治療法です。「かぶれ」なんて久しぶりに聞きました。昔は、うるしの葉っぱにさわるとかぶれるといったものですが、東京に暮らしていると、自然物にかぶれる経験をすることはまずありません。

DPCPかSADBEという非常に「かぶれやすい」化学物質にかぶれさせて、アレルゲンをつくるそうです。そして抗体を作らせて、再度アレルゲンを接触させて、正式なアレルギー反応を発動させて自分にアレルギーを起こしてしまう自己免疫反応をおさめるのが、この療法の原理みたいです。

具体的な方法は、独協医科大学越谷病院皮膚科の局所免疫療法の具体的な方法についてに書かれていました。

①上腕内部に0.4%DPCPアセトン液50μℓを浸みこませた1%の濃度に溶かした液のついたパッチ絆をはりつけます。

②24時間後、ご自宅でパッチ絆をはがして下さい。貼付していたところは赤く腫れ、時には水ぶくれになることもあります。

症状が強い場合は指示された外用薬を塗り絆創膏で保護して下さい。あとで色素沈着を残すこともあります。2~3週間経つと、DPCPにかぶれるように体が覚えます。

③2~3週間後に再診して頂き、幾つかの濃度のDPCPを、脱毛部に試し塗りをします。

④1週間後、再診して頂き試し塗りをした部分の状態を観察して、適度にかぶれをおこす濃度を決めます。その決めた濃度のDPCPを持って帰って頂き、7~10日に1回程度、ご自宅で脱毛部全体に塗って頂きます。

その後は月に1回程度通院して頂き、診察とDPCP溶液の交換をさせて頂きます。(DPCPは冷蔵庫などの冷暗所に保管し、子供等が触れないように注意して下さい。)

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かぶれるというと不快な感じがするものですが、この療法は安全性が高いようです。薄毛の科学 (おもしろサイエンス) には次のように書かれていました。

概して安全性が高く、肝臓や腎臓機能などに影響を与えることはありません。

妊娠中、授乳中の場合には使用を避けることもありますが、過去に胎児や乳児への影響を示唆した報告はなく、治療途中で妊娠が判明しても継続したままで無事出産した例が多数あります。

保険診療外です

局所免疫療法は皮膚科外来で行われますが、使われる薬が医薬品ではないため保険診療の対象にはなりません。自費診療になるそうです。保険診療なら3割負担ですが、健康保険が効きませんので10割負担になります。

専門医が語る毛髪科学最前線では、この療法の利点が書かれていました。

慢性化、重症化して完治が見込めない患者さんにとっては、一番効果的で副作用も少なめの治療でしょう。

これは、子供さんでも可能な治療方法です。ただし即効性はありませんので6ヶ月~1年かけてじっくり治療する必要があります。

ステロイド治療

ステロイド治療には、ステロイド局所注射、ステロイドパルス療法、ステロイド内服療法があります。

とくに単発型円形脱毛症の場合は、ステロイドの塗り薬が効果的だそうです。ストレスで10円玉のような円形脱毛症ができた時は、外用の塗り薬がよく効くということです。

ステロイド局所注射

脱毛部分に副腎皮質ステロイド注射薬を直接注射針で打っていく方法です。直接注射を打ちますから痛い治療法です。

1回の注射で薬が行きわたる範囲はせいぜい1㎠程度です。脱毛範囲が広ければ1回の診察内で何回も注射することになります。(これは痛そうです)

短期間に注射をくり返すと、皮膚が萎縮して陥凹してしまう恐れがあります。あまり強く萎縮すると回復に数ヶ月かかることがあるそうです。

ステロイドパルス療法

広範囲に脱毛した時に行われる療法です。脱毛を自覚してから半年以内程度の早い時期に行うと特に有効だそうです。

3~4日間連続して大量のステロイドを点滴注射する方法です。基本は入院して行います。

まだ毛包が自己免疫反応によって炎症を起こしている発症早期に、一気にその炎症を押さえ込んでしまおうという考えで行われます。何年も経過して慢性となった円形脱毛症には効果が期待できません。

副作用については次のように書かれていました。

もともとステロイドパルス療法は全身状態が非常に悪化したような状況において、その状態を一気に改善させることを目的とするものです。

全身状態に大きな問題のない円形脱毛症患者に対して行っても大きな副作用はほとんどありませんが、頭痛や嘔気、発熱、生理不順など軽度の副作用が一過性にみられることがあります。

嘔気とは吐き気のことです。

ステロイド内服療法

副腎皮質ステロイド薬を内服する方法です。連日内服することが一般的ですが、間欠的に行うこともあります。ほかの自己免疫疾患と同様、ステロイド薬を内服することで、自己免疫反応の抑制を目的としています。

抜け毛が続くような活動性のある円形脱毛症に対して有効だそうです。

ただ、長期間続けなければならない場合が多いと書かれています。その理由は、内服して急に脱毛症状が止まるわけではないことと、効果が見られたら徐々に薬を減量していきますが、減量を急ぐと再発することがあるからです。

副作用については、糖尿病、高脂血症、骨粗しょう症などがあります。

塩化カルプロニウム

皮膚外用薬です。副交感神経や血管平滑筋のアセチルコリン受容体(ムスカリンM3受容体)を刺激するコリン作動性があります。

毛包やその周囲の血管拡張が誘導され、血流の増加が起きます。

副作用としては、全身性の発汗、それに伴う悪寒、戦慄、嘔気、嘔吐が現れることがあります。

セファランチン

セファランチンは、ツヅラフジ科の「タマサキツヅラフジ」から抽出したアルカロイドです。

ウイキペディアによると、アルカロイドとは、窒素原子を含み、ほとんどの場合塩基性を示す天然由来の有機化合物の総称であるとあり、多くのアルカロイドは他の生物に対して有毒である。しばしば薬理作用を示し、医薬や娯楽のための麻薬としてや、幻覚儀式において使用される、と説明されていました。

セファランチンは内用薬です。セファランチンには、肥満細胞からの、いわゆるアレルギー反応を起こすヒスタミンの遊離を抑制することや、下垂体を介し、血中の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を上昇させ、副腎、血中のコルチコステロンの産生を高めます。コルチコステロンは、抗炎症作用があります。

グリチルリチン

内用薬です。グリチロン錠は、甘草の根に含まれる「グリチルリチン」を主成分としています。肝臓疾患や、湿疹・皮膚炎、円形脱毛症や口内炎に適応があり、円形脱毛症に対しては、73.6%にやや有効以上の効果があるとされています。

抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬は、ウイキペディアによると、ヒスタミンの作用を抑制する薬品である。特にヒスタミンH1受容体拮抗薬を指す。鼻水といったアレルギー症状や、酔い止めの成分として知られ、花粉症の薬や総合感冒薬にも含まれる、と説明されています。

抗ヒスタミン薬は、円形脱毛症において毛包周囲にリンパ球が集まっていくのを阻害する可能性があることを示唆しています。

紫外線療法

紫外線を皮膚に照射することで、毛包周囲に浸潤している免疫細胞の働きを抑制させます。

まとめ

円形脱毛症の症状が重たい場合は、治療も大がかりになるので、早く皮膚科を受診されるのがまず必要なことだと思います。

大きな病院は、一般の病院などから紹介された高度先端医療行為を必要とする患者に対応する、特定機能病院となっている場合が多いですが、初診に係る保険外併用療養費(5000円以上)を負担すれば、初診でも診てもらえます。

症状について情報を得るには、お医者さんが書かれた本や病院のサイト、皮膚科学会のサイトなどを読むのが一番よいと思います。

東洋医学もよいかもしれませんが、急に症状が出た時は薬がよく効くと思います。まずは病院に問い合わせて皮膚科の先生に診てもらってください。

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