円形脱毛症の原因について

円形脱毛症とは、ずっとストレスが原因できるものだとばかり思っていました。以前勤めていた会社で、新卒の新入社員がしばらくしたら話に聞くように10円玉大の円形脱毛症になり、学生から社会人になると気苦労が多いのだなと思ったものです。

脱毛症

しかし、専門医が語る毛髪科学最前線を読むと、程度によっては放っておけばいいとはいえないものもあるようです。円形脱毛症の原因について調べてみました。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

円形脱毛症の種類

円形脱毛症は、5つに分類されているようです。

  • 単発型
    話によく聞く円形脱毛が1~2ヶ所に起きるタイプ。大きさは1センチ程度から数センチまで。会社の新人にできたのもこのタイプでした。もちろん、しばらくして仕事に慣れたら治っていました。
  • 多発型
    頭部の数カ所から数十ヶ所に円形の脱毛ができる。単発型から進行する場合と、最初から多発してつながり、脱毛範囲が広がる場合があります。
  • 蛇行型
    後頭部や側頭部の生え際が帯状に蛇行するように抜けていく。
  • 全頭型
    頭髪の全てが脱毛する。
  • 汎発型
    髪の毛だけでなく、眉毛、髭、陰毛からすね毛など体全体の体毛が抜けてしまう。

私は単発型しか知りませんでした。多発型から先は、そのまま放っておいても治るとは思えないです。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症はストレスによって起こると、私も含めて広く一般に思われています。しかし、それは誘因の一つであり、直接の原因ではないそうです。

自己免疫疾患の一つである

多発型より重症の円形脱毛症は、臓器特異的自己免疫疾患であるとされています。つまり、自分の体の成分を「異物」とみなして攻撃することが原因で起きるというのです。

免疫は、簡単にいうと「自己」と「非自己」を認識して「非自己」を異物として排除する働きです。体を守るためには必要な働きなのですが、なんらかの原因で自分の体の成分を異物として攻撃することがあります。これが自己免疫疾患です。

これは困ったことになったと思いますが、板見先生の本によると、円形脱毛症の場合、髪の毛だけを限定的に攻撃するため、髪の毛は抜けますが、他の臓器には影響がありません、と書かれていました。

脱毛したところは炎症を起こしているようです。

円形脱毛症の患者さんを診察して病理組織検査をすると、脱毛部分の毛包のなかや周辺が炎症を起こし、リンパ球がそこに集まっているのが見られます。

リンパ球のなかにも免疫反応を促進するもの、抑制するものがありますが、そのバランスが崩れることで自分自身の細胞などを攻撃し、脱毛を引き起こすのです。

遺伝的な要因がある

円形脱毛症の方の30~40%は遺伝的要因があるそうです。日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2010には次のように書かれていました。

最新の大規模疫学調査(中国)では,AA 患者の 8.4% に家族内発症があり,患者との関係(親等)が近いほど発症率が高く,欧米の調査でも一親等内での AA 発症は一般に比べて 10 倍である.また,一卵性双生児での AA 一致率は 55% と高いが 2卵性では 0% である

文中AAは、円形脱毛症(alopecia areata)のことです。一親等は、本人に対して両親(父母)です。一卵性双生児に高く、二卵性では0%というのが印象に残ります。一卵性双生児は、顔がそっくりですから、両親から引き継ぐものが似通っているのでしょう。

他の自己免疫疾患の合併症として起こる

橋本甲状腺炎、膠原病、白斑、重症筋無力症といった自己免疫疾患にかかった方が、高い確率で円形脱毛症を発症すると書かれていました。これは、すでにある自己免疫疾患が髪にも影響を与えたと考えればよいのでしょうか。

それぞれの病気はこのように説明されていました。

  • 橋本甲状腺炎
    自己の抗体が甲状腺細胞を攻撃してしまう慢性甲状腺炎。九州大学の橋本策医師がこの病気を最初に学術誌に発表したため、橋本甲状腺炎の名がついた。
  • 膠原病
    人の組織を支えている箇所に病変が見られる病気。血液中の抗体が自己の関節、血管などを攻撃することで起こると考えられている。主な症状は発熱、関節や筋肉のこわばりや痛み、複数の臓器が傷害されるなど。
  • 白斑
    皮膚の色素を作る働きが鈍くなり、皮膚の一部が白く脱色していく。リンパ球がメラノサイトを攻撃して起こると考えられている。
  • 重症筋無力症
    顔や手足などの筋力が衰えていく病気。

アトピー性皮膚炎の人に起きやすい

若い方には、アトピー性皮膚炎で悩んでいる方が多いですが、アトピー性皮膚炎になった方が円形脱毛症になりやすいことが知られているそうです。

前述の日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2010には次のように書かれていました。

AA 患者 47 例中 29 例にアトピー性疾患(気管支喘息,アトピー性皮膚炎,軽度のアレルギー性鼻炎)のいずれかを合併し,AA 患者 800 例中 187 例(23%)にアトピー性皮膚炎を合併していたとの報告がある.

47例中29例とは、約62%にもなります。こちらは皮膚炎だけでなく、気管支喘息やアレルギー性鼻炎も含んでいます。

アトピー性疾患

ふと、アトピー性疾患とは何だろうと思いました。アトピーとアレルギーとは別ものなのでしょうか。

アトピー性および アレルギー性疾患によると、次のように説明されています。

Ⅰ型過敏反応は,全てのアトピー性疾患および多くのアレルギー性疾患の根底にある。アトピーおよびアレルギーという言葉はしばしば同義的に用いられるが,異なるものである。

アトピーとはIgE媒介性の過剰な免疫応答であり,全てのアトピー性疾患はⅠ型過敏性疾患である。

アレルギーとは,発生機序にかかわらず,外来抗原に対するあらゆる過剰な免疫応答である。

したがって,全てのアトピー性疾患はアレルギー性とみなされるが,多くのアレルギー性疾患(例,過敏性肺炎)はアトピー性ではない。アレルギー性疾患は人々の間で最も一般的な疾患である。

Ⅰ型とは、Ⅰ型アレルギーのことで、アレルギーの原因になるアレルゲンが、体の中に浸入してきて、それに対応してIgEという抗体が作られる場合のことです。IgEが体の中にできていると、次に同じアレルゲンが入って来た時に、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、いわゆるアレルギー反応が起こります。

免疫反応はⅠ~Ⅴまであるようですが(出典)、アトピー性疾患とはⅠ型の過剰な(ひどい)アレルギーだということです。

まとめ

円形脱毛症は、なにかで苦労したことの証のような扱いだったので、まだ「大変だったんだなあ」と笑って済ますことができる余地がありました。

しかし、専門医が語る毛髪科学最前線には写真が載っていて、多発型になると、もう、笑って済ますことはできません。

今は子供だけでなく大人もアレルギーになる人が増えています。私も40代の半ばから急に花粉症になりました。その後、肌も何かに負けやすいというか、反応しやすくなっているような気がします。

アレルギー反応は、すさまじいです。

長くなったので、円形脱毛症の治療については記事を改めます。

タイトルとURLをコピーしました