薄毛の食卓 5か月で64.5%の人が発毛した食事法を読んでいます。育毛の基本になる食品は、まず、唐辛子と大豆だそうです。
日本人にとっては唐辛子も大豆も当たり前に使うものです。大豆は唐辛子による知覚神経への刺激でIGF-1が増える時に、さらに役に立つようです。この組み合わせのよさをお知らせしましょう。
目次
カプサイシンが知覚神経を刺激
唐辛子を食べると、辛味成分であるカプサイシンが、胃腸の知覚神経を刺激します。普段、蕎麦やうどんに唐辛子をかけますが、かけ過ぎると出汁の風味が分からなくなるのでほどほどにしています。
だから、口の中はともかく、胃腸を刺激されるという感覚までは分かりません。
カレーの辛さもカプサイシン
しかし、わかりやすい例があります。カレーです。私はカレーが好きで、以前、お茶の水の人気店エチオピアに週2~3回はお昼を食べに行っていました。スパイスがビシバシ効いたカレーを出してくれます。
もちろん、自分でも作ります。自宅の冷凍庫には各種スパイスが100g単位で常時入っていて、冷蔵庫にはS&Bの赤缶の業務用の缶(400g)も入っています。
カレーの辛さは、唐辛子の粉であるカイエンペッパーで出します。カレーなら胃腸を刺激されるという感覚はとてもよく分かります。
唐辛子のカプサイシンの刺激が脳を経由して全身へ伝えられ、毛根でIGF-1が増加する話は、IGF-1を増やすと育毛効果があるで書きました。見慣れないIGF-1ということばについてもこの記事で説明しています。

しかし、カレーの辛さを強くしていくと、口の中が熱くなり、舌がしびれてきて味が分からなくなります。
岡嶋研二先生の薄毛の食卓によると、舌がしびれるほどの刺激は、知覚神経機能の麻痺を意味し、IGF-1を減らしてしまうのだとか。刺激が強すぎると、知覚神経から放出されてIGF-1を増やす作用を持ったカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)という物質が枯渇してしまうのだそうです。
エストロゲンに似た大豆イソフラボン
CGRPを枯渇させないようにするには、カプサイシンで知覚神経を適度に刺激することはもちろん必要なのですが、知覚神経内でCGRPを増やせるととてもよいです。
CGRPを増やすことができるのは、女性ホルモンであるエストロゲンです。女性は50歳前後で閉経し、エストロゲンがあまり作られなくなると、いわゆる更年期障害が起きて、さまざまな体の不調が起きてきます。
岡嶋先生によれば、更年期障害は、IGF-1があまりつくられなくなることによって起きると考えられるそうです。
更年期になると、女性の中にも脱毛が起きる方が出て来ます。これもIGF-1があまりできないことが原因だと考えられます。
これを解決するのが、植物エストロゲンと呼ばれる大豆イソフラボンです。イソフラボンは、エストロゲンと構造が似ています。構造が似たものは、同じように働きます。
岡嶋先生は、イソフラボンを使って実験をしました。その結果、イソフラボンには、CGRPを増やす作用が認められました。
つまり、カプサイシンだけを与えるよりも、カプサイシンとイソフラボンを一緒に与えた方が、毛根のIGF-1の増加と育毛効果がより大きくなることが分かりました。
実際に薄毛で悩む48人を対象にした実験では、1日にカプサイシンが6mg、イソフラボンが75mg与えられました。これは、カプサイシンは一味唐辛子2g分、イソフラボンは豆腐半丁分200gに相当します。5ヶ月間摂取してもらいました。
その結果、これら食品の成分を摂取した人の64.5%に育毛効果が認められました。
カプサイシンとイソフラボンの育毛以外の効果
皮膚のたるみがとれる
さらに、これらの人々には、育毛効果以外の効果も現れました。摂取し始めてから2~3ヶ月で、多くの人たちの顔のたるみがとれ、小顔になっていたのです。
知覚神経を刺激する食品をとると、皮膚のIGF-1が増えて、育毛効果以外にもしわやたるみの改善が期待できるようです。
血圧が正常になる
さらに、IGF-1は血圧を正常化する作用も持っています。薄毛でしかも高血圧の人たちが、カプサイシンとイソフラボンを摂取すると、5ヶ月で血液中のIGF-1濃度が増加し、血圧が正常化しました。
一方、もともと正常な血圧の人たちは、これら成分を摂取すると血液中のIGF-1は増加するものの、血圧は正常以下には低下しませんでした。
うつ状態の改善
胃の知覚神経を刺激すると、脳の認知機能の中枢である海馬のIGF-1が増加します。海馬のIGF-1が増えると、認知機能が改善する以外に、うつ症状も改善することが知られています。
岡嶋先生の実験では、薄毛でうつ症状を示す8人のうち、カプサイシンとイソフラボンを5ヶ月間摂取した、5人のうつ症状が改善したそうです。
単純な話なのですが、普通の食事をするのとカレーを食べるのでは、食べたあとの気分が違います。これはよく経験することです。以前、NHKの人気番組サラメシで、カレーを開発する食品メーカーの人が出ていましたが、カレーを食べると元気が出るといってました。同感です。毎日1食は食べているそうです。
まとめ
子供の頃、辛いものばかり食べていると、記憶力が悪くなるといわれていましたが、カレーを毎日食べているインド人が優秀なのは、今やよく知られていることです。
もう一つ、辛いものは胃を荒らすのではないかという心配があります。岡嶋先生の本では胃の粘膜は傷害されないようで、カプサイシンは胃炎を改善する働きもあると書かれていました。
もちろん、程度問題だと思いますが、少し安心しました。
また、2000年頃、大豆イソフラボンが女性に流行りましたが、今は下火です。これは日本人がもともと大豆をよく食べているので、わざわざサプリメントでイソフラボンを飲んでもあまり効かないということだったようです。
イソフラボンはもう少しだけ分解されるとよいらしいです。しかし、それは腸内に特定の乳酸菌がいるかどうかで決まります。日本人の半分はその乳酸菌を持っているそうです。
エクオールは大豆イソフラボンよりすごいらしいという記事で説明されています。

元気が出ないときはカレーが効きます。カレーを食べるときに納豆を食べようかなと思います。麻婆豆腐だったら、唐辛子に豆腐ですからバッチリですね。
サプリメントに頼る前に、食事でなんとかしましょう。その方が美味しくて、経済的です。