AGA男性型脱毛症の仕組み

男性型脱毛症は、Androgenetic alopecia略してAGAと呼ばれています。80歳までに80%が発症するといわれています。

どうしてAGAが起きるのか説明しましょう。

脱毛症

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ジヒドロテストステロン(DHT)が原因

これまでの研究では、男性ホルモン(テストステロン)が毛根に作用すると、毛根にある5α-リダクターゼという酵素が、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)へと変化させ、この物質が、毛根に作用して、育毛を阻害すると考えられていました。

テストステロンからジヒドロテストステロン

変化は些細なものです、テストステロンの赤丸部分では炭素(C)同士が二重結合でつながっています。こんな感じです。(C=C)これが5α-リダクターゼという酵素によって、炭素同士の二重結合が解消され、それぞれの炭素は、水素(H)を一つずつ余分に持ちます。

赤丸の部分だけの反応を書くと次のようになります。炭素は本来他と結合する腕を4本持っています。

二重結合の解消

それで、テストステロンは、ジヒドロテストステロン(DHT)になります。ジは2個、ヒドロは水素(H)のことです。2個の水素がついたテストステロンができました。

ジヒドロテストステロン(DHT)は、ヒゲなどの体毛は濃く太く成長させますが、なぜか頭髪については成長を止め、脱毛へと導きます。

つまり、男性ホルモンのテストステロンが毛根周辺で、5α-リダクターゼという酵素の働きによってジヒドロテストステロン(DHT)になると、脱毛してしまうのです。

ジヒドロテストステロン(DHT)は、細胞内の男性ホルモンレセプター(受容体)と結合して細胞の核内に入り、遺伝子が働くスイッチの部分に作用して、タンパク質を作ります。

テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変化することで、男性ホルモンレセプターとの結合性が10倍ほど強まります。専門医は語る毛髪最前線

どこに男性ホルモンレセプターがあるか

毛根の一番下には毛母細胞があります。毛母細胞は、字の通り、分裂をくり返すことで髪の毛に成長していく細胞です。その毛母細胞の中には毛乳頭細胞があります。

毛乳頭細胞に男性ホルモンレセプター(受容体)があります。

といっても、全ての毛乳頭細胞に男性ホルモンレセプター(受容体)があるわけではありません。

頭部では前頭部、頭頂部、また、ヒゲやわき毛の毛乳頭細胞には男性ホルモンレセプター(受容体)がありますが、後頭部の毛乳頭細胞にはありません。

AGAを発症したヒトでも、後頭部の毛が最後まで残っているのは、その部分の毛乳頭細胞に男性ホルモンの感受性がないからです。

ジヒドロテストステロン(DHT)に変える酵素5α-リダクターゼ

5α-リダクターゼという酵素の活性は、体質的に多い人と少ない人がいます。もちろん、活性が高い人はジヒドロテストステロン(DHT)も多くなり、薄毛になりやすくなります。

これは遺伝的に受け継がれる要因で、母方のおじいさんが薄毛の人は同じように薄毛になる確率も高くなるといわれています。

5α-リダクターゼは2種類ある

さらに、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変化させる酵素、5αリダクターゼは、実は、2種類あります。

それは、1型5α-リダクターゼ2型5α-リダクターゼです。ここから先は、主に専門医は語る毛髪最前線によります。

1型5α-リダクターゼ

1型5α-リダクターゼは、ヒトのあらゆる組織あらゆる細胞にあります。

2型5α-リダクターゼ

2型5α-リダクターゼは、精嚢、前立腺、外陰部の皮膚といった限られたところにあります。その後、前頭部やヒゲの毛乳頭細胞にもあることがわかりました。

なぜ薄くなるのか?

さて、2型5α-リダクターゼのところで、「前頭部やヒゲの毛乳頭細胞にもある」と説明しました。テストステロンが2型5α-リダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)に変わった時、ヒゲは濃くなりますが前頭部は薄くなります。

これはなぜなのでしょう?

TGF-β1を抑える

男性ホルモンが増えると、ヒゲの毛乳頭細胞からはIGF-1といういままで何度も出て来たインスリン様成長因子-1が作られます。

このIGF-1はヒゲの成長を促進します。

一方、男性型脱毛症(AGA)を起こす前頭部では、男性ホルモンが増えると、毛乳頭細胞からTGF-β1という因子が出ます。トランスフォーミング増殖因子-β1のことです。

このTGF-β1は、IGF-1とは逆の働きをします。たとえばこのTGF-β1をマウスに打つと、脱毛が起きてきます。

このことから、男性型脱毛症(AGA)の発症には、男性ホルモンによって毛乳頭細胞から分泌されるTGF-β1が重要な鍵を握っていることが分かりました。

ちなみにIGF-1の重要性を書かれている岡嶋先生の見解は少し違っています。

岡嶋研二先生の薄毛の食卓には次のように書かれていました。

私の研究で、毛根の知覚神経の刺激でIGF-1が作られ、育毛を促進することがわかっているので、この事実から考えると、男性ホルモンが脱毛を起こすには、DHTが知覚神経の働きを低下させると仮定されます。

これは実験で、見事に証明されました。DHTをマウスに注射すると、毛根のみならず、全身の知覚神経の働きを低下させ、血液中のIGF-1までも減少させたのです。

すなわち、DHTが、知覚神経の男性ホルモン受容体に作用して、その働きを低下させ、毛根のIGF-1を減らすことで、育毛を阻害することがわかりました。

知覚神経の働きを低下させるDHTを作る酵素、5α-リダクターゼは、毛根以外の全身の組織の知覚神経の周囲に存在します。そのためDHTは、毛根以外の全身の組織においても知覚神経の働きを低下させ、IGF-1を減らします。

これらの事実から、DHTは、脱毛以外にも、全身でIGF-1を減少させるので、さまざまな病気を引き起こすと考えられます。

ことは、毛根に限ったことではなく、全身のIGF-1を減らすことになるので、さまざまな病気を引き起こすと考えられます。

岡嶋先生の見解をもとに対策を立てると、ジヒドロテストステロン(DHT)を作らせないようにすることが一番の対策になります。

しかし、ジヒドロテストステロン(DHT)も男性ホルモンの一つであり、男性ホルモンが分泌されるのは自然の摂理ではあります。

AGAを抑えるには

これまで書いてきたように、知覚神経を刺激してIGF-1が増えると、育毛を促進することは間違いないようです。

テストステロンが2型5α-リダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)になっても、ヒゲの毛乳頭細胞では、IGF-1ができるので育毛効果が出ています。

すると、考えられる対策方法は、TGF-β1という因子が出てしまう、前頭部でのジヒドロテストステロン(DHT)か、それをつくる2型5α-リダクターゼを抑えることになります。

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